CPUグリスの交換は、メンテナンスの中でもかなり手をつけにくい部分ですよね。なので、興味はあってもなかなか手を出せない方も多いと思います。
でも正直、1回やれば慣れますよ。
私は自作PCを組むまで「CPUグリス」という単語も知らないレベルでしたが、今では気軽にグリスを塗り直しています。
この記事を読めば、グリスの塗替えなんぞ日常茶飯事になりますよ!
※「実際に塗っている動作が見たい」という方は、動画版をどうぞ↓
※ノートPCの場合は「【熱いときに効果的】ノートPCのCPUグリスの塗り方をやさしく解説」で解説しています。
CPUグリスの塗り直し手順
CPUグリスを塗り直す手順は、こんな感じです。
グリスはどれを使えばいいのかな
銀とかシリコンがあるけど……
シリコングリスが良いですよ!
銀のグリス(シルバーグリス)は冷却効果が高いですが、はみ出るとCPUが故障する可能性が高いのではじめてのグリス交換には不向きです。
爆熱なCPU(性能がいいCPU)でなければシリコングリスとシルバーグリスの違いはほぼわからないので、私はシリコングリスを使っています。
そもそもシルバーグリスを買うほどの高性能なパソコンを持っていないので(笑)
おすすめのグリスはARCTICの「MX4-4G」。
買いやすい価格で、8.5W/mKとそこそこ熱伝導率(冷やす性能)がいいスグレモノですよ!
それでは、デスクトップのCPUグリスを塗り直す5ステップをくわしく解説していきます。
1、CPUグリスを塗る前にPC内のホコリを掃除
※ホコリがないよ!という方は、次の手順(CPUクーラーを外す)からお読みください。
PCの中にホコリがあると、せっかく塗ったグリスの上について冷却効率が落ちてしまうことがあるので、先にホコリ掃除をオススメします。
上の写真のように、CPUクーラーのファン(中央の物体)付近にたくさん溜まることが多いですね。
エアダスターで吹き飛ばすと楽にきれいになります。
ブロアーを使っても問題ないですが、手が死にますのでご注意を。
このエレコム製エアダスターは3本セットで1,000円前後なので、めちゃくちゃお買い得ですよ。
くわしい掃除の方法は、こちらの記事をご覧ください!
>>>パソコンの掃除頻度は年に何回がベスト?掃除のやり方も解説
2、CPUクーラーを外す
PCのカバーを開けたら、いよいよCPUクーラーを外します。
CPUクーラーは、トップフロー(ファン縦向き)とサイドフロー(ファン横向き)の2種類がありますが、今回はトップフロー型で解説しますね。
まず、クーラーを固定しているネジ(たいてい上の4か所)をゆるめます。
Intelの純正クーラーを使っているなら、4箇所のプッシュピンを矢印の方向に回すだけ。
そのまま上に持ち上げれば外れます。けっこう固いので、強めに引っぱるといいですね。
どうしても外れないときは、回し忘れたプッシュピンがないか確認してみてください。
特殊な取り外し方法のCPUクーラーもありますので、不安なら説明書を確認してみるといいかもしれませんね。
マザーボードを外してうしろからネジを回さないといけないこともあります……
お次はCPUクーラーのファンから出ているケーブルを外しましょう。
このようにファンの端から出て下の基板につながっている線です。
線をひっぱって抜くと切れたりして厄介なので、きちんと四角いコネクタを持って外すといいですね。
あとは、CPUクーラーをつかんでグリグリ左右に回しながらひっぱるだけです。ヒートシンク(横のギザギザ)にふれると手を切ることがあるので、手袋をしたほうがいいかもしれません。
AMD社のCPUはスッポン(CPUがクーラーといっしょに外れてしまうこと)する可能性があるので、CPUが「Intel」か「AMD」かわからないなら間違ってもいきなり真上に引かないこと。
ネジが引っかかって動かないときは、ネジをドライバーでもう何周か回すとあっけなく外れますよ!
3、古いCPUグリスを拭き取る
CPUクーラーを外すと、ついにCPUとご対面です。
汚ねえッ!
CPUクーラーを付けたままでは飛ばしきれなかったホコリと、もともとついていたグリス(中央の白いところ)が混ざってとてつもなく汚いです。
とりあえずホコリを吹き飛ばすと、少しはマシになりましたが……
古いグリスは、ティッシュを使ってふき取ります。
ウエットティッシュならなお良し。
一気にすべてふき取ろうとすると周りに広がってしまうので、何枚か使って少しずつ取りのぞくといいですね。
きれいになると、CPUの型番やロットナンバーの刻印が見えてきます。
ついでに、CPUクーラー側もきれいにしておきましょう。
一見ホコリしかついていないように見えますが、拭いてみると汚さを実感できるはず……
4、新しいCPUグリスを塗る
きれいにしたCPUに新しいグリスをぬっていきます。
グリスの塗り方はいろいろありますが、簡単で効果の高いのはこの2つ。
どちらがいいのかな?
基本はバッテンです
ただCPUとの接点が小さいCPUクーラーの場合、バッテンにするとグリスがはみ出るのでセンターう○このほうが良いですね。
なので、
- 点 → CPUと接する金属プレートが小さい(安めの)CPUクーラー
- バッテン → 金属プレートが大きい(高価な)CPUクーラー
という感じで使いわけるのがいいかなと。
わたしのCPUクーラーは、CPUと接するところが小さいのでセンターう○こですね。
センターう○この塗り方
センターう○このぬり方は簡単で、このようにCPUの中央に米つぶほどグリスを落としてCPUクーラーを取り付けるだけです。
ヘラで広げたりしなくていいの?
基本は広げなくても大丈夫です!
めちゃくちゃこだわりがある方は時間をかけてヘラで広げますが、強くこだわらないなら広げる必要はありません。
ヘラで広げると、グリスの厚みが一定にならなかったときに冷却性能が落ちてしまうので、初めてグリスを交換するならやめておいたほうがいいですね。
バッテンの塗り方
バッテンも、名の通りCPUの対角線上にグリスで線を描いてCPUクーラーを装着するだけです。
虎徹Mark2や白虎2など、サイドフロー型(ファンが横向きについているやつ)のクーラーはバッテンをおすすめしますね。
センターう○こだとCPUの端の方までグリスがつかないので、冷却効果が落ちてしまうんです。
5、CPUクーラーを元のように取り付ける
最後はCPUクーラーを元のように取り付けます。
1つのネジを一気にしめるとグリスが偏ってしまうので、まず左上のネジを2周回して、右下のネジを2周回して……を繰り返して少しずつ締めていくとうまくいきますよ。
そして、CPUファンの電源ケーブルをマザーボード(基板)につなぎます。
これって忘れがちなんですが、すごく重要なんです。
CPUファンのケーブルをつながないと、ファンが回らずCPUの温度がどんどん上がっていき、PCの電源が突然切れる原因に。
掃除した直後にPCの電源がよく切れるなら、真っ先にCPUファンのケーブルがちゃんと刺さっているか確認してみてください!
初心者向けCPUグリスの塗り方まとめ
今回は、CPUクーラーの外し方とグリスの塗り直し方法を解説しました。
ここまでグリス交換をいとも簡単そうに説明しましたが、実際はけっこうハードルが高い作業です。
とくにCPUクーラーの取り外しがややこしいので、外したはいいけど戻せない……ということにもなりかねません。
今ひとつ自信がないなら、PCいじれる知り合いに相談するのも一つの手ですね。
ちなみにわたしは、一番最初にグリスを交換したときは感覚で適当にやっていました。
それでも一応問題なかったので、とやかく言えませんが(笑)
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