自作PCに挑戦したくても、どんなパーツが必要なのかイマイチわからないことってありますよね。いままで2台組み立てた私でもすぐには答えられません(笑)
記憶をたよりになんとなくパーツを買いそろえてしまうと、いざ組み立てようと思ったときに「あれ?このパーツ買うの忘れてた!」なんてことにも。
また注文すればいいだけですが、組み立ては次の休日までおあずけになります。しかも組み立てるときに散らかしたパーツを片付けないといけないので、めちゃくちゃダルいですよね。
そこでこの記事では、自作PCを組み立てるために必要なパーツと選び方をさらっと紹介します。完成させるために必要な道具もリストアップしているので、ぜひ手元にあるかチェックしてみてください!
結論からいうと、自作PCに必要なものはこんな感じ。
※光学ドライブ(DVDやブルーレイ)は、正直いりません。私も最初はつけていたのですが、1年に1回くらいしか使わないので今は搭載してないです。
※しかも最近のPCケースだと5インチベイがないので、光学ドライブを取り付けられないことが多いです。どうしても光学ドライブが欲しい方は、外付けのものを使うといいですね。
CPU
パソコンの頭脳にあたる部分です。CPUを製造しているメーカーは、Intel(インテル)とAMD(エーエムディー)の2社。
有名なCPUは、IntelでいうとCore(コア)シリーズ、AMDだとRyzen(ライゼン)シリーズです。
Intel CoreとRyzen、どちらがおすすめなの?
好みの問題なので好きなほうでOKですよ!
いまのところ性能が高いのはRyzenで、とくにRyzen7 5800X3Dのゲーム性能は「ゲームするならIntel」という先入観をぶち壊しました。
ただIntelも
CPUによって使えるマザーボードが変わるので、自作パソコンの構成を考えるときは、まずCPUをどれにするか決めるといいですね。
CPUを選ぶときは、型番の見方を知っていると見た瞬間に性能がわかるのでめちゃくちゃ便利ですよ!
>>>【2021最新】AMD Ryzenの型番の読み方をやさしく図解
>>>【知らないとヤバい】Intel(インテル)製CPUの型番の見方をやさしく図解
CPUの選び方
CPUを選ぶときのポイントは、こんな感じです。
詳しくはこちらの記事で解説していますよ!
>>>後悔しない!CPUの種類と選び方をやさしく解説【比較表つき】
CPUクーラー
CPUクーラーは、名前の通りCPUを冷やすためのものです。風を送るファンと熱を逃がすヒートシンク(銀色の部分)でできていて、デカいやつほど性能がいい(熱を効率よく逃がせる)ことが多いですね。
CPUを買うとおまけ的に付いてくることが多いですが、ガンガンパソコンを使うつもりなら別売りのCPUクーラーを買うほうが快適です。
CPUクーラーには空冷(空気で冷やす)と水冷(冷却水で冷やす)があります。初めて自作パソコンを組むなら空冷が無難ですね。取り付け方などの動画もたくさんありますし。
選ぶときに気をつけることはある?
CPUクーラーを選ぶときに注意したいのはこの2つです。
RyzenとIntel両方に対応しているCPUクーラーが多いですが、たまに片方にしか使えないCPUクーラーがあるので、使いたいCPUに対応しているかを確認しておきましょう。
意外と見落としがちなのが、ケースにちゃんと入るかということ。CPUクーラーはそこそこ高さがあるので、使う予定のケースにCPUクーラーが収まるかケースの寸法を確認しておきましょう。
大体のケースには対応しているCPUクーラーの高さが書いてありますよ。
CPUグリス
CPUグリスって何だ?
CPUとCPUクーラーを密着させるためのペーストです
CPUグリスもCPUクーラーを買うとついてきますが、塗りにくかったりするので単品で買うのがいいですね。
有名なのは通称「クマグリス」ことThermal Grizzly Kryonautです。冷えやすさを表す性能(熱伝導率)は12.5W/mと、シリコングリスの中では最高峰です。
Core i7やRyzen 7など、発熱量が大きいCPUにおすすめ。
こちらは私が使っているMX4-4Gです。手軽な価格なので塗るのに失敗してもだいじょうぶですね。熱伝導率も8.5W/mKと、Core i5やRyzen 5くらいなら余裕で冷やせます。
グラフィックボード(GPU)
グラフィックボードは画面を表示するパーツです。グラフィックボードの性能によってゲームの快適さがめちゃくちゃ変わるので、ゲーミングPCを組むときはいちばんコストをかける部分ですね。
動画をエンコードするときも使うので、動画編集をする方にも必須です。
ゲーム用で有名なのは
- GeForce(ジーフォース):Nvidia社
- Radeon(レイディオン、ラデオン):AMD社
の2シリーズ。
GeForceにするかRadeonにするか、というのも好みの問題ですが、こだわりがなければGeforceが無難ですね。Radeonはソフトとの相性があったりして、性能を出しきれないことがあるので。
私はGeForceを2年、Radeonを1年弱使ってきましたが、安定して使えるのは圧倒的にGeForceです。特に録画機能が優秀ですね。
グラフィックボードの取り付け部分はすべて同じ(PCIe x16スロット)なので、AMDのCPUにはRadeonしか使えない……なんてことはありません。
グラフィックボードの選び方
グラフィックボードの選び方は、ざっとこんな感じです。
詳しい解説を読みたい方は、こちらの記事をどうぞ!
マザーボード
マザーボードはCPUやグラフィックボードをつなぐ基板です。ほかにも電源管理やハードウェアの読み込みもしているので、まさにほかのパーツにとっては母親のような存在ですね。
マザーボードの選び方
選ぶときのポイントは、この3つ。
マザーボードの大きさは大体決まっていて、
- ATX
- Micro ATX
- Mini ITX
の3つがあります。
大きさを比べるとこんな感じになりますね。
ATX > Micro ATX > Mini ITX
なのでATX対応のケースにMicro ATXのマザーボードを使うのはOKですが、Micro ATXにしか対応していないケースにはATXのマザーボードが入りません。
買ってから入らなかったら悲惨なので、選んだケースにマザーボードが収まるかどうかは念入りに確認しておくといいですね。
マザーボードを選ぶときには、使いたいCPUに対応しているのかも要チェックです。
CPU | 対応ソケット | 対応チップセット |
第3世代Ryzen | AM4 | X570、B550、X470、 B450、A520 |
第4世代Ryzen | AM4 | X570、B550、X470、 B450、A520 |
第5世代Ryzen | AM5 | X670E、X670、B650E、B650 |
第10世代Core | LGA1200 | Z490、H470、Q470、B450、H410、W480 |
第11世代Core | LGA1200 | Z590、H570、B560、H510、Z490、H470、Q470 |
第12世代Core | LGA1700 | H610、B660、H670、Z690、B760、H770、Z790 |
第13世代Core | LGA1700 | H610、B660、H670、Z690、B760、H770、Z790 |
※第3世代のX470、B450と第4世代の場合はBiosアップグレードが必要
チップセットって?
マザーボードの頭脳みたいなものです
AMDでは A → B → X 、Intelの場合H → B → Z の順番で性能が良くなります。
チップセットの性能が良いとSATA端子が多くなったり、USBポートが増えたりしますね。ほかにも高性能なマザーボードのほうが消費電力が多い(=性能が高い)CPUを安定して動かせます。
予算に少し余裕があるなら、高性能なチップセットを搭載したマザーボードを選ぶのがおすすめです。
私は初めて自作PCを組んだとき、ケチってHシリーズを選んだのでSATA端子が足りなくなりました(笑)
マザーボードの選び方をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も見てみてください!
>>>意外と重要!自作PCのマザーボードの選び方をくわしく解説
メモリ
(もっとかっこいい写真があればよかったんですが……)
メモリ(RAM)は、作業中のデータを一時的に保管しておくパーツです。動画編集やゲームをするなら16GBは欲しいですね。
私はいままで「軽めのゲームなら8GBで十分じゃね?」と思っていたんですが、グラフィックボードの性能を活かすには16GBは必要です。
メモリの容量を8GB→16GBに変えたら同じゲームをやっていても使用量が1.7倍くらいに増えたので、8GBのときは相当節約してたみたいですね。
もちろんメモリを節約するとそのぶんゲームの快適さが下がるので、予算が厳しくない範囲で多めに積んでおきましょう。あとから増設するのが簡単なので、足りないと思ったら買えばいいんですけどね。
メモリーの選び方
メモリーを選ぶときのポイントはこちら。
現在出回っているメモリーの規格は、おもに「DDR5」と「DDR4」ですね。
この2つは切り欠きの位置が違うので、DDR5対応のマザーボードにDDR4メモリーは取り付けられません。反対もムリです。
現在はDDR5が普及し始めている時期なので、同じCPUでも「DDR5対応のマザーボード」と「DDR4対応のマザーボード」があります。
Ryzen7000シリーズならDDR5しか使えないので間違わないと思いますが、IntelのCPUを使う場合は選んだマザーボードがどちらのメモリーに対応しているかをよく見ておきましょう。
さらにメモリには「JEDEC準拠メモリ」と「OC(オーバークロック)メモリ」があり、OCメモリを選んでしまうと安定動作がしにくいのでおすすめしません。
JEDEC準拠メモリの見分け方を教えて!
電圧を見てください
OCメモリが1.35~1.50Vなのに対して、JEDEC準拠メモリの電圧は1.2Vです。
メモリの選び方を詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ!
>>>自作PCのメモリの選び方をわかりやすく解説【初心者はOCメモリに注意!】
SSD / HDD
SSD(エスエスディー)とHDD(ハードディスク)は、パソコン上でファイルを保存するためのストレージです。交換や増設がカンタンなので、ちょっとパソコン好きな方なら一度は見たことがあるかも。
自作PCを組む場合、HDDは3.5インチしかないのでわかりやすいですが、SSDは「M.2」「SATA」の2種類があるので混乱しますよね。
上の画像のような手のひらサイズの長方形なのがSATA SSDで、M.2 SSDはこんな感じの細長いヤツです。
SSDの種類をまとめてみました。
※厳密にはNVMeは通信プロトコルの名前で接続規格はPCIeですが、わかりやすくするためにNVMeに統一しています
M.2 SSDにも、データ転送が速い「MVMe接続」と普通の「SATA接続」の2種類があります。SATA接続のM.2 SSDではSATA SSDと速度が変わらないので、性能を求めるなら「NVMe」と書いてあるSSDをどうぞ。
Amazonでは、スタイルオプションでSATAかNVMeか選べますね。
↑拡大画像
実際にはM.2 SSDってどれくらい速いの?
Windowsの起動を見てみると、HDDと比べれば爆速ですがSATA SSDとの違いはそこまで感じられないですね。でも読み取り速度が速いことに変わりはないので、ロードが長いゲームだとNVMeのほうが快適です。
こちらの動画を見ると、違いがよくわかりますよ
SSDの選び方
SSDを選ぶときのポイントは、この5つです。
詳しくはこちらの記事をどうぞ!
>>>【ざっくり解説】ゲーミングPCを自作するときのSSDの選び方
ケース
ケースはマザーボードなどの部品一式をまとめて入れておくためのものです。自作PCを知らない方だとこれがパソコンだと思うかもしれませんが、実際はタダの箱ですね(笑)
最近の流行りは側面がアクリルやガラスになっていて中身が見えるケースで、中身を光らせたい方にぴったりです。
ケースの選び方
ケースを選ぶときのポイントはこの7つ。
くわしい選び方は、こちらの記事で書いていますよ!
>>>自作PCの見た目を決める!ケース選びで気をつけたい7つのポイント
電源ユニット
電源ユニットは、コンセントから取った100Vの電源をそれぞれのパーツに合った電圧になおしてくれる部品です。人間でいうと心臓のようなパーツなので、電源ユニットが故障するとPCがまったく起動しません。
信頼性が高いPCを組みたいなら、電源ユニットはあまりケチらないほうが良いですね。
ほかにもあまりに安い電源ユニットはSATA電源ケーブル(SSDやHDDの電源)が足りなかったり、変換効率が悪くて電気代が高くなってしまったり……と良いことがありません。
電源ユニットの選び方
じゃあ、どう選べばいいの?
この5つをよく確認すると良いですよ
詳しい選び方は、こちらの記事をどうぞ!
>>>自作PCの信頼性を決める!電源ユニットの選び方をやさしく解説
マウス、キーボード、モニター
マウス、キーボード、モニターはパソコンを使うために必須です。持っていれば買う必要はないですが、せっかく新しいPCを組むので新調するとテンション上がりますよ~
ゲーミングPCを組むなら、いくら性能の良いグラボを使ってもモニターが60Hzにしか対応していなかったら意味がないです。
144fpsで遊びたいなら、ぜひ144Hz対応のモニターを買っておきましょう。
フレームレート(fps)とリフレッシュレート(Hz)の関係は、こちらの記事で解説していますよ。
>>>ゲームの設定にある垂直同期とは?ONかOFFどちらがいいのか解説
OS (Windows)
自作PCを動かすためにはOS(Windows)が必要です。Linuxなどの無料OSもありますが、完成度は圧倒的にWindowsが勝っていますね。
なので、よほどの理由がない限りOSはWindowsを購入するのがオススメ。
HOMEとPROはどちらを買えばいいの?
基本はHOME一択ですね
PROはWindowsアップデートを長期間延期できるのがメリットですが、最近のバージョンではHOMEもあるていど延期できるようになりました。
そうなるとHOMEのほうが7,000円くらい安いので、PROを買うメリットはないですね。
必要な工具など
自作PCを組み立てるために必要な工具は、基本的にプラスドライバーだけです。
ほかにもライトやラジオペンチがあるとスムーズに組み立てられますよ。
プラスドライバー
プラスドライバーは普通サイズ(#2)を使います。M.2 SSDを取り付ける場合は精密ドライバーがあるといいですね。
ライト
ライトはケース内にネジを落としたときに使います。
まあ落とさないっしょ!
絶対落としますよ……
私も組み立てるときは数回落とすので、ライトはいつも手元においています。
もしネジがケース内に残ったまま電源を入れると、マザーボードがショートして故障の原因になるので、落としてしまったらなんとしてでも見つけましょう。
ラジオペンチ
ラジオペンチは、ケースにスペーサーを取り付けるときに便利です。
マザーボードが直接ケースに触れないようにするための小さいネジみたいなやつですね。
手で回しても良いですが、きっちり止めようと思うと難しいのでやはりラジオペンチはあったほうが組み立てやすいです。
静電気防止手袋/リストストラップ
冬など静電気がたまりやすい環境だと、静電気防止グッズがあったほうが安心です。静電気で故障させる可能性は低いですが、数百~数千円で何万円もするパーツを守れるなら買っておいて損はありません。
一般的なのは静電気防止手袋ですね。パソコン工房やドスパラの記事でも使われています。
私も最近知ったんですが、静電気防止リストストラップなんてものもあります。手からコードで静電気を逃がすストラップですね。
手袋をつけていると少し作業がしにくいので、予算があるなら静電気防止リストストラップを使うといいかもしれません。
自作PCに必要なものまとめ
今回は自作PCを組み立てるために必要なものを紹介しました。
自作PCは用途によってどこにお金を使うか決められるので、まずは組み立てたパソコンを何に使うか考えてからパーツを選ぶといいですね。
たとえばケースにこだわらないなら3,000円のものを買ってもいいですし、見た目をかっこよくしたいならサイドパネルが透明でLEDが付いているケースを選べます。
ぜひ自分だけのこだわりが詰まった自作PCを組み立ててくださいね!
「自作PCを組みたい!」という方は、こちらの記事も読んでみてください!
COMMENT
こういうのありがたい
それな
メッサ嬉しいやんK!!