「もっと大迫力でゲームを楽しみたいけど、フレームレートは落としたくない」そんなワガママな夢を叶えてくれるのが、WQHD解像度(2560×1440)の27インチモニターです。
私は初めて自作PCを組み立ててから2年半ほど24インチフルHDのモニター「BenQ GW2480」を使っていました。でも動画編集やゲームを始めると「ちょっと大きさが足りないかな」と思うことが増えてきたんです。
そこで思い切って27インチWQHDモニター「S2721DGF」を購入。
3週間使ってみた結果、「最高」の一言に尽きます。色の正確さがイマイチだったり、ゲーマー向け機能が削られていたりと多少の弱点はありますが、かなり満足度が高いです。
この記事ではDELLの高性能ゲーミングモニタ「S2721DGF」を1か月使ってわかった使用感やメリット・デメリットを紹介します。
S2721DGFのスペックと総評

S2721DGFのスペックはこんな感じです。
画面サイズ | 27インチ |
解像度 | 2560×1440(WQHD) |
パネル | IPS |
コントラスト比 | 1000:1 |
最大リフレッシュレート | 165Hz(HDMIは144Hz) |
応答速度 | 1ms(G2G) |
VESAマウント | 100×100mm |
G-SYNC | なし(互換モードあり) |
AMD FreeSync | 対応 |
入力端子 | HDMI×2 DisplayPort |
スピーカー | なし |
保証 | 3年 |
付属ケーブル | ・DPケーブル ・HDMIケーブル ・電源ケーブル ・USBケーブル |
S2721DGFをひとことで表すと「性能特化型の優等生モニター」です。

ゲーミングモニターに重要なリフレッシュレートは165Hzで、標準的な144Hzより高くなっています.
私は今まで60Hz/Full HDのモニター「BenQ GW2480」を使っていたので、マウスのポインタがヌルヌル動くのに感動しました。さすが165Hz。
もちろんゲームの映像も滅茶苦茶なめらかになります。ただWQHDのモニターなのでフルHDよりグラボのスペックが必要ですね。いくらモニターのフレームレートが良くてもグラボの性能が悪いとカクカクな映像になっちゃいます。
私が今使っているグラボ(GTX1650 GDDR6)では、軽めのゲームでも設定を落とさないと165fps以下になってしまいます。このモニターの性能を100%発揮するためには最低でもRTX3060tiくらいは欲しいですね。

私は3060tiは買えないので、1/27発売予定のRTX3050を狙ってます
※2/10追記:争奪戦を勝ち抜いて無事RTX3050をゲットできました!
S2721DGFの残念なところ
私がS2721DGFを購入して感じた残念なところはこの4つ。
スピーカーがない
S2721DGFにはスピーカーがついていません。
ほとんどのモニターには良し悪しはともかくスピーカーがついているので「スピーカーはついてて当たり前」と思い込んでしまいますが、S2721DGFはモニターだけでは音が出ないんです。
なのでヘッドフォンや外付けスピーカーを持っていない方は別に買う必要がありますね。
まあモニターについてくるスピーカーは音質がいいとは言えないので、どっちにしろヘッドフォンやスピーカーは買うのがおすすめです。

スピーカーやヘッドフォンはどんなのを買ったらいいの?

どれくらいの音質を求めるかで変わりますね
とりあえず音が出ればいいなら、こちらのロジクールZ200nが手頃ですね。出力が左右あわせて5Wなので、よくあるモニター付属のスピーカー(2W)よりはパワフルな音が出ます。
高音質を追求するとキリがありませんが、そこそこな音質を求めるならRazer Nommoがおすすめ。有名なゲーミングデバイスメーカーの「Razer」が製造しているゲーミングスピーカーです。
このクラスなら音楽鑑賞用としても使えるのが嬉しいですね。
ヘッドフォンも数千円~数万円までいろいろありますが、直接身につけるデバイスなので実店舗で試してから購入するのが無難です。
ゲームに役立つ機能が少ない
S2721DGFのゲーム向け機能は、画面の暗い部分を明るく補正してくれる「暗さスタビライザー」だけです。
同じWQHDで27インチのゲーミングモニター「BenQ EX2780」には、暗さスタビライザーと同じ役割の「Black eQualizer」はもちろん、鮮やかさを調節して敵プレーヤーが背景から浮き出て見える機能(Color Vibrance)もついています。
なのでゲーマー向け機能を駆使して勝率を上げたい方は「BenQ EX2780」などの他のモニターを選ぶといいですね。
私は「リアルさや映像の美しさを楽しみたいからゲーマー向け機能は使わないだろう」と思ったのでS2721DGFを買いました。
リモコンがない
S2721DGFには、明るさなどを変えられるリモコンが付属しません。

リモコンついてるモニターなんて無いだろ

さっき紹介したBenQ EX2780Qはリモコンがついてるんです
S2721DGFは設定を変えるためにいちいち背面のボタンを押さないといけません。モニターの設定をいじることが多いなら、リモコンがついているほうが圧倒的に便利です。
私は普段「暗さスタビライザー」をOFFにしています。でもたまにONにしたくなるとき(ゲーム中に暗いマップなどに当たったときなど)があるので、さっとON/OFFを切り替えられたらいいのに……と思うことがありますね。
リモコンがついていないと困る!という方はBenQ EX2780Qのがおすすめです。
背面のLEDはあまり意味がない
S2721DGFは液晶の背面にLEDがついていて光るようになっています。

最初は「かっけぇ!!」ってなるんですよ。
でも使ってるときは全然見えないんです。

意味あるのかこれ…..

カベに反射させると見えるので、部屋を暗めにしたら見えますよ
私のモニターの後ろにあるのはカベじゃなくてぼろい扉なので、全然見えないんですけどね……
4Kダウンコンバートができない
S2721DGFは4Kの信号をWQHDに変換する「4Kダウンコンバート機能」がついていません。

4Kダウンコンバートってどんなときに使うの?

主にPS5をつないで使うときです
4Kダウンコンバートがついていれば、4KかフルHDにしか対応していない機器(PS5など)をつないだときに4Kの映像をWQHDに縮小して表示してくれます。
S2721DGFにPS5をつないだ場合フルHDの映像を引き伸ばして表示するので、ダウンコンバートがついているモニターよりぼやけた映像になってしまいますね。
ライバルのBenQ EX2780はダウンコンバートが あるので、 「PS5も使う予定だよ」って方はそちらをおすすめします。
165fpsを出すには良いグラボが必要
S2721DGFは165fps対応のモニターですが、コレを使えば必ず165fpsがでるわけではありません。使っているPCのグラフィックボード(グラボ)が低性能だと、いくらモニターが高性能でもカクカクな映像になってしまうんですね。
とくにこのモニターはWQHD(2,560×1,440ピクセル)なので解像度が一般的なフルHDの1.8倍です。当然グラボの負担も増えるので、性能をフルに発揮したい場合はRTX3060ti以上のグラボが必要になりますね。
>>>RTX3060tiをTSUKUMOネットショップで探す

RTX3060tiって8万円もするやん。さすがに高すぎて買えん……
軽めのゲームを最高設定でプレイする場合や設定を妥協してもいい場合は、もうすこし性能が低いグラボでも問題ないです。私は軽めのゲームしかしないので、RTX3060tiより2ランク下の「RTX3050」を使っています。
S2721DGFの買ってよかった!と思うポイント
没入感が上がる27インチのパネル
S2721DGFの良いところは、なんといっても27インチ液晶パネルです。前まで24インチを使っていたので没入感に驚きました。程よい大きさなので、画面を見わたすときに首を動かす必要がないところもポイント。
私はリアルさが売りのゲーム「WarThunder」をメインでやっているので、戦場にいるかのような迫力が味わえて大満足ですね。

もちろんYouTubeの動画も迫力満点です。

このモニター(WQHD)より解像度が低いフルHDの動画を見ると粗くない?

理論的には粗くなりますが、まったく気にならないですよ!
外国の動画はWQHDと4Kに対応していることが多いですが、国内の動画はまだまだフルHD止まりが多いのが実情です。ちもろぐさんの「WQHD~4KモニターでフルHD表示したときの見え方とは?」によれば、4KモニターにフルHDの映像を写すとぼやけるとか。
ただS2721DGFでは4Kより解像度が低いこともあって、フルHDの動画を全画面再生しても気になるほどぼやけないです。
上の動画をフルHDとWQHDで見くらべてみましたが、素人の私には木のこまかい部分をよく見ないとよくわからないレベル。いきなり見せられて「フルHDかWQHDのどっち?」と聞かれたら当てる自信はないです(笑)
なので「フルHDの映像を見ると粗く感じるのでは?」という心配は不要です。そもそも映像の美しさをアピールする動画なら、ほぼ確実にWQHDにも対応していますし。
暗さスタビライザーは意外と使える
S2721DGFの数少ないゲーマー向け機能に、ゲーム中に暗いところを明るくする機能「暗さスタビライザー」があります。「無いよりはマシ」などと酷評され気味な暗さスタビライザーですが、私が使ってみた感じでは意外と役に立ちます。
実際にWarThunderのテストドライブで時刻を「夕暮れ」に設定して、暗さスタビライザーをOFFにしたときとONにしたときを比較してみました。
両方同じ明るさになるようにカメラの設定は焦点距離32mm、F5.0、ISO1600、シャッタースピード1/80秒で固定しての撮影です。


どうです?ぜったい有利でしょコレ

見える、見えるぞぉぉぉぉ!
ONにすると右上の空はそのままの明るさですが、地面と木の明るさが格段にあがっていますね。
これで暗いシーンでも敵を早く見つけて先手を打てますし、岩や家屋などの障害物も見えやすくなって射線が通っているかの判断もしやすいです!
夜戦や暗めのマップでは暗さスタビライザーがあるだけでかなり有利になるので、使わない手はないですね。ショートカットキーを割り当てておくと2回ボタンを押すだけで暗さスタビライザーの設定ができるのでおすすめです。
高さ調節機能がついていて疲れにくい
S2721DGFには高さ調節機能がついてるので、簡単に疲れにくい高さに調節できます。


動かせる範囲は13cmと自由度も高いです。私はいちばん低くしてモニターが目線より下にあるように調節しています。

調節方法がわからなくて1時間くらい悩んでたのを知ってるぜ

うっ……そ、それは……
私は高さ調節ができるモニターを初めて買ったので、どうやって調節するのか全然わかりませんでした。ただモニターを手で上げ下げすればいいだけ……なんですけどね。
ほかにも首振り機能や回転機能もあります。

このように左右に90度回転できます。何に使うのかわかりませんが。
もちろん上下の角度調節機能もありますよ。

設定がしやすいのでイライラしない
私がいちばん感動したのは、5方向ボタンがあるので設定がめちゃくちゃスムーズにできること。

今まで使っていたBenQ GW2480は
- 下にいくボタン
- 上にいくボタン
- 決定ボタン
- キャンセルボタン
が別々についていて、かなり設定がやりにくかったんです。背面の一番上についている5方向ボタンだけで設定ができるなんて……私の苦労はなんだったんだよ!
設定画面もわかりやすいです。

発色が鮮やか
S2721DGFは、これでもか!というほど発色が鮮やかです。とくに赤が強調されているので、最初は違和感があるかもしれませんね。
色の正確さはイマイチなんですが、私をふくむ素人がパッと見て「めっちゃ綺麗じゃん」と感じるようなチューニングになっているようです。
なので色の正確さを求める方は設定から補正をする必要がありますが、ゲーム用途ならむしろテンションが上がります。
3年間無輝点保証がある
DELLの販売ページにも書いてあるとおり、S2721DGFには3年間の「無輝点保証」がついています。

「輝点」 って何?
モニターの表面を拡大すると、色を変えられる小さい粒(ドット)がたくさん並んでいますよね。初期不良でずっと光っているドットが「輝点」です。
S2721DGFは無輝点保証があるので、買ってから3年以内に輝点を見つけた場合は交換してもらえます。輝点はめったにないですが、もしあったときに交換してくれるのは心強いですね。
外観や付属品
DELL S2721DGFの外観や付属品をチェックします。
まずは箱。面白いデザインです。

2段めに付属品、1段目に本体が入っていますね。


モニターアームを取り付けるときに使うVESAマウントの規格は、標準的な100×100mmです。

付属品はこんな感じ。
スタンドの取り付けは簡単です。アームと台座をネジで止めて、モニターの背面にアームを「カチッ」と音がするまではめ込むだけ。

ネジは手で回せるので工具はいりません。

あとはお好みのケーブルをつないで設置するだけです。

S2721DGFの口コミ
DELL S2721DGFの口コミをTwitterで探してみました。
XboxはWQHDに対応しているはずなのに、なぜかフルHDしか選べないことがあるみたいですね……。
Xbox Series Xの為にDell ゲーミングモニター 27インチ S2721DGFを買ってHDMI2.0接続でXbox Series Xの設定をいくらいじっても1080p 120hzしか選べねーじゃねーかよ!
— Pluky Candy1634 (@PlukyC) April 28, 2021
かーらーのー「Club3DのHDMI>DP変換機(CAC-1331)」を買ってモニターのDPに接続したら普通に1440p 120hzが選べるようになった
DP入力なら選べるようになったらしいので、そこまで困る問題ではないですが。
という訳で、DELLのS2721DGFって名前のモニターを買いました。
— 桜木霊希❅*°(Sakuragi Reiki) (@sirone0312) October 31, 2021
WQHDで165Hzを出せるかなりハイスペックなモニターなんですけど、Amazon見てたら4万円切ってたので買いました(めっちゃヌルヌルで👍)#Dell pic.twitter.com/UOVkdUlKsx
今使ってるゲーミングモニターはDELLのS2721DGF。
— 🍩N-チャソ🍩 (@RG2_) March 18, 2021
まかぽさんのとこで紹介してるモニターそのまま購入しました!4kかWQHDで相当悩みましたけど、今の環境考えるとWQHDで最終的に決まりました。
3週間経つけど、初期不良等無し、PSO2でぬるんぬるん動いてとても良い感じです。まかぽさんありがとう!🤩 pic.twitter.com/2VraTRsoIX
黒金セールで買ったDellのS2721DGF届いたので早速組んでみたんだけど凄い…165Hzが想像以上にヌルヌル過ぎて気持ち悪いくらいッ
— 🐮ニョサク🔞 (@nyosaku) December 6, 2021
いい買い物したわぁ…(‘ワ’)
DELL S2721DGF使い始めて3日ほど経ったがめっちゃいいな。何度も書いちゃうけど画面でかいと作業範囲広がって良い。後、めっちゃ薄くなったのに発熱も少ないしIPSパネルのおかげで視野角広くて座椅子とかで横になってもしっかり画面見れるの素晴らしい。最高のコスパディスプレイだわ#DELL
— sion@三原色/ハルジオン (@chobitsky) November 30, 2021
S2721DGFを買ったらやっておきたいこと
S2721DGFを接続して「さあゲームをやろう!」と思ったそこのあなた。ちょっと待ってください!設定でリフレッシュレートを「165Hz」にしておかないと60Hzしか出ないんです。
まずデスクトップを右クリックし、「ディスプレイ設定」を開きます。

ディスプレイ設定の下の方にある「ディスプレイの詳細設定」をクリック。

リフレッシュレートの設定が「165Hz」になっているか確認してみてください。HDMIで接続している場合は144Hzまでしか出せないのでご注意を。

S2721DGFのレビューまとめ
今回はDELLのゲーミングモニター「S2721DGF」をレビューしました。
スピーカーがなかったりゲーマー向け機能が少なかったり……とコストカットはされていますが、オフィス用途にもゲームにも使える万能モニターです。あとアニメ鑑賞も。
ゲームは165Hzでヌルヌル楽しめてレポートや資料作りもはかどるので、買っておいて損はないですよ!
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