3Dゲームの設定画面を見ていると、絶対に「垂直同期」という項目を目にしますよね。でも今のままでいいのかわからない方も多いと思います。
ところが、垂直同期はゲームをやるなら絶対知っておくべきことなんです。知っているか知っていないかで、快適さがかなり変わりますよ。
私もついこの間まで「垂直同期って意味わからん。放置!」とずっとOFFのままにしていましたが(笑)
結論からいうと、垂直同期とはグラフィックボードが出力するフレームレートをモニターのリフレッシュレートに同期する(合わせる)こと。ゲーム内のフレームレートがモニターの性能を超えないようにするわけですね。
垂直同期のON/OFFはグラボが出せるフレームレート(FPS)とモニタのリフレッシュレート(Hz)のどちらが大きいかで決まります。
- グラボのフレームレート > モニタの表示性能 のときはON
- グラボのフレームレート < モニタの表示性能 のときはOFF
ただフレームレートがリフレッシュレートより少し高いだけの場合は、ONにするとスタッタリング(遅延)が発生するので注意が必要です。
垂直同期(V-SYNC)とは?
垂直同期(V-SYNC)はグラボが出すフレームレートをモニタが表示できる最大のフレームレートに合わせる機能です。
具体的にいうと、グラボが絵を1秒に150コマ(150fps)作れても、モニタが1秒に60コマ(60Hz)しか表示できないときはモニタの性能に合わせるわけですね。
実際のゲーム画面を見てみましょう。(WarThunderのプレイ画面。フレームレートはMSI Afterburnerを使って計測しました。)
垂直同期がOFFのときは、グラボのフレームレートが134fpsになっています。
垂直同期をONにしてみると……
じゃーーん!モニタの表示性能と同じ60fpsぴったりになっていますね。
数字上ではfpsが下がっていますが、モニタが60Hzなので実際に表示されているコマ数は変わりません。
垂直同期のメリット
垂直同期をすると何がいいの?
テアリングが発生しにくくなります
テアリングというのは、3Dゲームで画面の上半分と下半分がずれる現象です。グラボが作るコマ数がモニタのリフレッシュレートと合っていないときに起こりやすいですね。
テアリングの原因は、モニタが表示できるコマ数よりグラボが作るコマ数が圧倒的に多いことです。モニタがまだ前の画像をうつしている途中なのにグラボから次の画像が送られてくるので、上下の画像がずれてしまうというワケ。
私もWar Thunderをプレイしているとき、たまに画面がずれるな……と思っていたところ、垂直同期をONにするとテアリングがほぼ発生しなくなりました。
「テアリングがなくなるだけでなんて快適なんだ!」と感動しっぱなしです(笑)
ほかにもこんなメリットもありますね。
グラボがムダな絵を作らなくなるので、メリットだらけです。
垂直同期のデメリット
垂直同期にデメリットはないの?
グラボの性能が悪いと、画面が一瞬止まることがあります
垂直同期をすると、グラボのコマ数をモニタの表示能力に合わせるので
グラボのコマ数 < モニタの表示能力
になったときに画面が一瞬固まってしまうことがあります。
テアリングとは逆に、グラボがなかなか絵を作ってくれないのでモニタがヒマな状態です。グラボから次の絵が来ないので、仕方なく直前の絵をうつしているんですね。
その間は同じ絵がずっと写っているので、画面が固まっているように見えるというわけ。これをスタッタリングといいます。
なので、グラボの性能が低いのに垂直同期をすると逆効果なんです。
垂直同期は「自動」でOK
結局、垂直同期は
- グラボのフレームレート > モニタの表示性能 のときはON
- グラボのフレームレート < モニタの表示性能 のときはOFF
にするのがオススメです。
でも実際は「自分のグラボの性能がわからない!」「今どれくらいFPSが出ているのか知らない」「モニタの表示性能がわからない」ということが多いですよね。
そんなときに役に立つのが自動モード。
自動モードにしておけば、モニタの表示性能といま出ているフレームレートを比べて、垂直同期のON/OFFを自動で切り替えてくれるんです。
NVIDIA G-syncやAMD FreeSyncって何?
ゲーミングモニターを見ていると「AMD FreeSync対応」とか「NVIDIA G-SYNC対応」とアピールしているものがありますよね。
垂直同期と何が違うの?
垂直同期の上位互換のようなもんです
垂直同期はグラボのフレームレート(fps)をモニターのリフレッシュレート(Hz)に合わせます。
でもこれには問題があって、
グラボのフレームレート < モニターのリフレッシュレート
のとき実際に表示されるフレームレートが1段階下がってしまうんです。
たとえばモニターが60Hzまでしか表示できない場合、グラボのフレームレートが56fpsでも実際に表示される映像は30Hzまで下がってしまいます。
この現象をなくすために開発されたのが「G-SYNC」や「FreeSync」です。
これを使えばモニターのリフレッシュレート(Hz)をグラボのフレームレートに合わせられるので、グラボのフレームレートが56fpsならモニター側も56Hzで表示できるんですね。
図にするとこんな感じです。
要は
G-SYNCやFreeSyncを有効にしたほうが平均的に高いフレームレートを出せる
ということです。
G-Syncを有効にするにはデスクトップを右クリックして「NVIDIAコントロールパネル」を開き、「G-SYNCの設定」から設定します。
FreeSyncはRADEONを使っている場合、「RADEON SETTINGS」からONとOFFを切り替えられますよ。
設定項目がないんだけど……
設定が出ない場合は、モニターがG-SYNCやFreeSyncに対応していないかもしれません
NVIDIAが開発したG-SYNCは、対応しているモニターが少ないのが欠点でした。
でも最近はNVIDIA製のグラボでFreeSyncが使える「G-Sync Compatible」があるので、NVIDIAのグラボを使っていてもかなり手軽にFreeSyncが設定できるようになっていますよ。
ちなみに、いま私が使っているゲーミングモニター「DELL S2721DGF」はG-Sync Compatibleに対応しています。
ゲームのfpsがモニターの最大リフレッシュレート(165Hz)を下回ってもモニター側がリフレッシュレートを合わせてくれるので、急にカクカクになったりしません。めちゃくちゃ快適です。
こちらの記事で詳しくレビューしているので、気になった方はチェックしてみてください!
>>>DELL S2721DGFをレビュー:良いグラボが欲しくなるモニター
垂直同期の解説まとめ
今回は、垂直同期はONかOFFのどちらが良いのかくわしく解説しました。
垂直同期を「自動」や「ON」にすると、テアリングがなくなったり電気代が安くなったり……といいことだらけなので、ぜひゲームの設定を見てみてください!
垂直同期のほかにもゲームを快適にする設定がありますよ。
COMMENT
垂直同期について知らなかったので参考になりました。
ただこの記事、同じ内容を三度も繰り返し書いてることに笑いました。
まったく推敲してないのか、文字数を稼ぎたかったのかは判りませんが。
そりゃ「導入文」→「本文」→「まとめ」って順番で書いてるので。この記事は文量が少ないからちょっとクドすぎますかね……。修正検討します。ご指摘ありがとうございます。
スタッタリングについて、ゲームが止まるのと絵が止まるのは意味が違います。
余程お高いモニターやグラボを搭載していないと、ゲームの進行が逆に遅延するケースがほとんどですよ。
カクついても操作を蔑ろにできないアクションや格闘ゲームほど垂直同期は逆効果です。
下記参考に。
https://www.google.com/amp/s/nanishira.com/game-setting-suityokudouki/?amp=1
「ゲームの進行が逆に遅延する」ってどういうことですか?いくら低スペでも(オンラインゲームなら)ゲームの進行が遅くなるってことはないと思います。
一瞬の遅れが致命傷になるゲームをやってるなら普通は可変リフレッシュレート対応のゲーミングモニタを使うのでは?
写真WT?
そうです
参考になりました。ありがとうございます!