2019年7月に発売されたCPU「Ryzen 3000シリーズ」は、以前のRyzenのイメージを一新するコスパの良さで多くのPC好きを驚かせました。
Intel Coreシリーズが13、14世代で大ゴケしてしまったこともあり、今非常に注目されているAMD Ryzenですが、CPUの型番の読み方は案外知らない方も多いのではないでしょうか。
たとえば、
- Ryzen 5 7600 X
- Ryzen 5 5600
の2つでは、どちらのほうが性能が高いと思いますか?
Ryzen5 7600Xだ!数字が大きいほうが性能がいいんでしょ?
(ここは間違うとこやろ!)
確かに数字が大きいほど性能がいいのですが、「末尾にXがつくと高性能」など、他にも読み取れることがあります。
CPUの型番の数字やアルファベットにはそれぞれ意味があるんですね。
なので、読み方を知れば型番をパッと見ただけでだいたいの性能がわかるようになって、めちゃくちゃ便利です!
ちなみに「Ryzen」の読み方は「ライゼン」です。
RyzenのCPU型番の読み方をわかりやすく解説
Ryzenの型番は、それぞれこのような意味を表しています。
ここでは、「Ryzen 5 9600 X」を例に解説しましょう。
この型番の読み方は、
ライゼン ファイブ 9600 エックス
です。
それぞれ見ていきましょう。
1、ブランド名「Ryzen」
Ryzenは、AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)という会社が製造しているCPUです。
AMD社はRyzenの他にも「Athlon(アスロン)」などのCPUも作っているので、見分けるために「Ryzen」というブランド名が書いてあるというわけ。
お茶に例えると、
伊藤園(飲料会社)→ AMD
お~いお茶(伊藤園のブランド)→ Ryzen
という感じですね。
現在はほとんどRyzenしか見かけないね
Ryzenという名前は、「Horizon(ホライズン)地平線・水平線という意味」と、禅宗をあらわす「Zen」を組み合わせたもの。
実は、Ryzenの箱についている丸のマークは禅を象徴するデザインなんです。
2、シリーズナンバー「5」
Ryzenのあとに書いてある数字は、そのCPUのシリーズを表しています。
シリーズは性能ランクによってわけられていて、性能の高い順にならべるとこのようになります。
- Ryzen Threadripper
- Ryzen 9
- Ryzen 7
- Ryzen 5
- Ryzen 3
いちばん上の「Ryzen Threadripper(ライゼンスレッドリッパー)」がいちばん性能が高くて、そこから「Ryzen9」→「Ryzen 7」→「Ryzen 5」→「Ryzen 3」という順番に高性能。
ここの数字が高いほど性能がいいんだね!
その通り!Threadripperは数字じゃないですが……
軽いゲームや動画編集などの用途なら、Ryzen5でも十分すぎる性能があります。
ゲーム目的ならグラフィックボードに予算を使いたいですが、最近の高性能グラフィックボード(RTX4080~)ではCPUがしょぼいと性能を発揮しきれないこともあるので、ケチりすぎるのもよくないですね。
ゲームだけを考えるなら、末尾にX3Dがついているキャッシュ増量モデルを買うのがベストです。
3、プロセッサー・ナンバー「9600」
プロセッサー・ナンバーは、シリーズのあとに書いてある4桁の数字のことです。
先頭の青色の数字は、CPUが所属するシリーズを表しています。(ここでは3なので、3000シリーズ)
同じグレードのCPUでも、シリーズが新しいほどアーキテクチャ(設計)が新しくなるので、性能がアップします。具体的には、Ryzen5 3600よりRyzen5 7600のほうが全体的に処理が早い、といった具合です。
ただし、プロセッサー・ナンバーの数字が新しくなってもアーキテクチャが変わらない場合があるので、対応を表にまとめておきました。
ナンバー | アーキテクチャ(設計) | 発売日 |
1000番台 | Zen | 2017年4月11日 |
2000番台 | Zen+ | 2018年4月19日 |
3000番台 | Zen2 | 2019年7月7日 |
4000番台 | Zen2 | 2020年8月8日 |
5000番台 | Zen3 | 2022年4月15日 |
7000番台 | Zen4 | 2022年9月30日 |
8000番台 | Zen4 | 2024年2月2日 |
9000番台 | Zen5 | 2024年8月10日 |
4000番台が3000番台と同じアーキテクチャで作られている理由は、APU(グラフィック機能付きのCPU)にRyzen4000番台(第3世代)がとられてしまったからです。6000番台はノートPC向けのCPUしかありません。
4000番台のRyzenが発売される前は、先頭の数字上がるとアーキテクチャも更新されていたんですけどね……
IntelのCPUも12400Fとか14400Fみたいに先頭2桁がシリーズだけど、Ryzenより数字が大きいやつはもっと性能がいいの?
確かにIntelも先頭の数字で新旧がわかりますが、同じタイミングで発売されていないので、IntelとRyzenではシリーズ番号での比較ができません。
次の数字(Ryzen5 9600 X では「6」の部分)には、このようにCPUの特徴が割り振られています。
- 7、8、9:ハイエンド(めちゃくちゃ高性能)
- 4、5、6:ハイパフォーマンス(そこそこ高性能)
これも数字が大きいほど高性能ってことだね!
あとの2つの数字(00)は無視してもいい数字です。
4、CPUタイプ「X」
CPU型番の1番うしろにあるアルファベットは、そのCPUのタイプをあらわしています。
タイプって?
そのCPUが得意なことです
たとえば、「性能が低いけど消費電力が低いCPU」や「GPU(画面を表示するチップ)が付いているCPU」などなど。
CPUタイプの代表的なものはこんな感じですね。
- 無印:ふつうのCPU。
- X:性能重視。消費電力が高い。
- X3D:キャッシュ増量モデル。AMD 3D V-Cache™ が搭載されているのでゲームに強い。
- G:グラフィック搭載。APUとよぶこともある。
- T:省電力モデル。
- S:省電力&グラフィック搭載。
- F:グラフィック搭載モデルのグラフィック機能省略Ver(一般販売なし)
タイプによって、最大クロック数(仕事の速さ)や消費電力がめちゃくちゃ違います。
ちなみにIntelは標準でGPUが搭載されていますが、Ryzenの場合は、Zen4より前のCPUではついていないのが普通。GPUが搭載されているのは型番の最後に「G」がついているCPUだけです。
なので、Zen4以前(Socket AM4)のRyzenで自作PCを組む場合は基本的にグラフィックボードを買わないといけません。
Zen4からは一応画面が映る程度のグラフィックチップがついているので、グラフィックボードなしでも使えなくはないです。ゲーミング性能はまったく期待できないですが、トラブルが発生したときなどに便利です。
Ryzenモバイルプロセッサ(ノートPC向け)の型番
ノートPC向けのRyzenも同じような4ケタの型番ですが、命名法則が少し違います。
先頭から順に
- 何年のモデルか
- CPUのグレード(Ryzen5やRyzen7など)
- アーキテクチャ(製造技術の新しさ)
- マイナーチェンジ用の番号
となっています。
デスクトップモデルと一緒に見えるけど?
重要なのは「何年モデルか」と「アーキテクチャ」が別れていることです。なので「先頭の数字が最新モデルなのに3番めの番号が3だから中身の技術は1つ前」ということがありえます。
型番の見方がわかると世代の見分け方もわかる:まとめ
今回は、AMD Ryzenの型番の読み方をわかりやすく解説しました。
型番がわかれば世代の見分け方もすぐにわかるので、CPUを選ぶなら知っておきたいですね。
自作PCを組むときや完成品のパソコンを買うときに、型番の見方を知っているとスムーズに選べます。
見方を知らないと、わざわざ2つのCPUの型番を検索してスペックを比べる必要がありますが、型番が読めたらハイスペックなCPUはどちらなのかだいたい判断できますよね。
読み方を知っているだけでかなり時短になるのがおわかりいただけたでしょうか。
まとめると、
型番を読めるようになってドヤろう!
ということですね(違う
自作PCを組みたいなら、こちらの記事もおすすめですよ!
COMMENT
項番3のあたりの書いてある内容が滅茶苦茶