自作パソコンは数万円のパーツをたくさん使うので、ぜったい組み立てに失敗したくないですよね。
私も初めて自作パソコンを組んだときは、「壊れたらどうしよう……」と怖くて冷や汗ダラダラでした。
でも、組み立てる前に手順を10回以上読んだおかげで、なんとなく雰囲気がわかってスムーズに組み立てられました。
そこでこの記事では、自作パソコンの組み立て方を写真57枚を使ってくわしく解説していきます。
かなりの長文記事なので、いつでも読めるようにブックマークしておくのがオススメです!組み立てるときもスマホで見ながら作業すれば迷いませんよ。
※まだ必要なパーツを購入していない方はこちらの記事をどうぞ。
組み立てに必要な工具
組み立てに必要な工具はこの4つ。
プラスドライバーは普通のヤツでOK。
パーツは静電気に弱いので、静電気防止手袋があると安心して作業ができます。しない場合は、静電気が発生しにくい服で組み立てるといいですね。
ライトは、ケースにネジを落としてしまったときに役立ちます。
組み立てに必要な時間
組み立てに必要な時間は、スムーズにいって1日、トラブったら2日以上ですね。
どうしても最初は慎重になるのでスローペースですし、注文し忘れた部品があればそのつど完成までの日にちが伸びます。
なぜか起動しなくてまる1日潰れるかもしれません。
なので、組み始めるなら大型連休や土曜日がオススメです。
自作PCを組み立てる手順
自作パソコンを組み立てる手順はこんな感じです。
それぞれ詳しく解説しますね。
1、CPUを取り付ける
まずはマザーボードにCPUを取り付けます。CPUの取り付けは、自作パソコンでいちばん緊張する作業ですね。
でも落ちついてやれば失敗しないので、始める前に深呼吸を強く推奨。
では、取り付けていきましょう。マザーボードを、入っていた箱の上にのせます。
マザーボードについているCPUソケットカバーを外します。
右側の針金みたいなレバーを少し下に押しながら横にスライドさせると、ボヨっと上がってきますね。
お次はCPUを用意。
箱を開けるとこんな感じの透明カバーがついたCPUが出てくるので、裏面(文字が書いていないほう)に触れないように気をつけて取り出します。
人差し指と親指でCPUをはさむようにして持ち、ソケットにそっと乗せます。CPUを落とすとピンが曲がってしまうかもしれないのでご注意を。
向きは、CPUの三角マークとマザーボードのマークが合うようにすればOK。
レバーを倒して、CPUを固定します。
このとき、CPUソケットのカバーが手前のネジにしっかり引っかかっているか確認しましょう。
確認したら、レバーをマザーボードに触れるまで倒し、左に押し込んで固定します。
ソケットの保護カバーが勝手に外れますが、そういうモノなので心配いりませんよ。
これでCPUの取り付けは終わりです。
2、メモリーを搭載
無事CPUを取り付けれたら、次はメモリーを搭載します。
メモリースロットは、CPUの近くにある細長いミゾの部分ですね。2~4個が一般的ですが、8スロットあるマザーボードも。
まず、メモリースロットのラッチ(固定用の部品)を外側に倒しておきましょう。私のマザーボードは1つしかない(方ラッチ)仕様なので右側しか倒していませんが、ラッチが両方にある場合は2つとも解除します。
取り付ける位置は、少し決まりがあってややこしいです。4つのスロットがある場合、下のようにA1、A2、B1、B2と番号が割り当てられていることが多いですね。
一般的な取り付けルールはこんな感じです。
※マザーボードによっては優先順位が違う場合があるので、迷ったら説明書をみるのが安全です
このように取り付けないと、デュアルチャネル(メモリを2つセットにして速く動かす仕組み)で動作してくれないので、メモリの速度が遅くなってしまいます。
2023/7/2追記:私の知識不足のため今まで「A1B1を優先する」と書いていました。誤った情報を掲載してしまい申し訳ございません。
取り付け場所が確認できたら、スロットの中央付近にある凸部分とメモリー本体の凹部分が合うようにして差し込みましょう。
少し力を入れて押し込むと、「カチッ」という音がしてラッチが元の位置に戻りますね。
向きをまちがえると取り付けられないので、力を入れてもはまらないときは向きが合ってるかたしかめてみてください。
これでメモリーの取り付けは完了。
3、CPUクーラーを取り付ける
お次はCPUクーラーを取り付けます。
まず……と言いたいところですが、CPUクーラーは製品によって取り付け方がまちまちなので、付属の説明書を見て取り付けるのが早いかなと。
注意点は、絶対にCPUとの接触面に付いている保護シールを剥がし忘れないこと。
このビックリマークがついたシールですね。剥がし忘れるとCPUの熱をうまく逃がせず、性能が落ちてしまいます。
グリスは、定番のMX-4がオススメです。シルバーグリスだと失敗したらショートの危険性があるので、慣れるまではシリコングリス一択。
CPUクーラーの付属グリスを使ったらいいのに……
付属グリスはおまけのようなモノです
グリスの塗り方はいろいろありますが、バッテンに塗ってCPUクーラーで押し広げるのがいちばん簡単ですね。
こだわるなら、CPUの周囲にマスキングテープを巻いてからヘラでうすく伸ばす方法もありますよ。
私はやったことがありませんが……
こちらの雪下さんは、びっくりするほどキレイに塗っておられます。https://twitter.com/Yukishita_Mfg/status/1354419432836141060?s=20
もしきれいな塗り方にこだわるなら、こちらの動画を参考にするといいですね。(6分あたりのグリスを塗っているシーンから再生されます)
4、グラフィックボードを接続
PCI Express x16スロットにグラフィックボードを取り付けます。
……といっても動作確認のために付けるだけなので、差し込んで終わりですね。
まず、PCI Expressスロットのロックを外します。
あとは、グラボの映像出力端子がマザーボードの外側に向くようにして差し込むだけです。
5、最小構成で動くか確認
ここまで取り付けられたら、いちど動作確認をしてみることをオススメします。
マザーボードをケースに組み込んでしまうと、動かなかったときにパーツを取り外すのが大変ですからね……
最小構成ってなに?
パソコンが動く最低限のパーツのことです
イメージはこんな感じ。
ここまでの手順で電源ユニット以外は取り付けてありますね。
まずは電源ユニットを用意します。
電源ユニットの線をマザーボードに取り付けていきましょう。ケーブルの種類は電源ユニットの箱に書いてあることが多いので、迷ったら確認してみるといいですね。
まずはATX電源ケーブルから。2列のピンが横にたくさん並んでいる端子に接続します。
グラボには、6ピンの補助電源ケーブルを。
CPU補助電源は少しわかりにくい場所にあります。マザーボードによって多少位置がちがいますが、たいていCPUの近くですね。
CPUの補助電源は8ピンなので、グラボの補助電源(6ピン)が接続できてしまいます。
私も間違えました
CPUの補助電源のところにグラボの補助電源をつないでも動かないので、ちゃんと4ピンか8ピンのコネクタを接続します。
完成。
画面が出力されるか確認するために、モニターもつないでおきましょう。
電源を入れるために、電源ボタンのケーブルを接続します。
ケースの電源ボタンを使ってもいいですが、動作確認用の電源ボタンを使うといちいちケースを持ってこなくていいので便利ですね。
2本入りで500円ほどなので、ぜひ買っておきましょう。
用意ができたら、電源ボタンをポチッとな。もちろんモニターの電源を入れるのもお忘れなく。
しばらく待って、このようなBIOS(UEFI)の画面が表示されたら成功です!!
動作が確認できたら、ケースに組み込むときにジャマになるので電源ユニットとグラフィックボードを外しておきましょう。
6、(必要なら)M.2 SSDを接続
M.2 SSDはマザーボードに直接取り付けるので、マザーボードをケースに入れる前に接続しておくと楽ですね。
取り付け場所は、いちばん大きいヒートシンク(放熱板)の下です。
ネジを外して差し込むだけなので簡単ですが、不安なら取り付け方を確認しておくと安心です。
参考>>>M.2 SSDの取り付け – 自作大図鑑
7、バックパネルを取り付け
自作パソコンでトップクラスに影の薄いパーツが、このバックパネルです。
バックパネルを付け忘れると、背面の端子がなんともかっこ悪くなってしまいます……
せっかくマザーボードを固定したのにまた外さないとバックパネルを取り付けられないので、けっこう面倒くさい。
付け方は簡単で、内側からはめ込むだけです。
けっこう力がいるので、どうしても入らなければドライバーの柄などで叩いてみましょう。
向きがわからないときは、いったんマザーボードにはめてみると確実ですね。
8、マザーボードをケースに入れる
いよいよマザーボードをケースに組み込んでいきます。
ケースに入れるだけでしょ?簡単簡単!
入れる前に、スペーサーの位置を確認しようね……
スペーサーというのは、マザーボードがケースに直接触れないようにする支えのことです。
こんなヤツですね。大抵のケースには、最初からついています。
マザーボードの大きさ(ATXやMicro ATX)によって、スペーサーを付ける位置が変わるので、取り付ける前に位置を確認しておきましょう。
私のケースだと、スペーサーを取り付ける穴のそばに「A(=ATX)」や「M(=Micro ATX)」などの記号がついていますね。
たとえば、ATXのマザーボードを取り付けるならスペーサーを「A」がある穴に装着します。
スペーサーはどうやって取り付けるの?
ラジオペンチを使うといいですよ
スペーサーが取り付けられたら、マザーボードをそっと乗せてみます。
バックパネルに端子がしっかり合っているかも確認。
マザーボードのネジ穴をスペーサーの位置に合わせて、インチネジで止めます。
インチネジはケースの付属品にあることが多いですね。
参考>>>インチネジとミリネジの違い – パソコン初心者講座
ネジ止めする位置は5~6個。
別に1つくらい付け忘れても問題ないので、パッと目についたネジ穴から止めていきましょう。
9、ストレージ(SSDなど)を取り付ける
2.5インチSSDと3.5インチHDDをケースにネジ止めします。
どちらも取り付けない方は、次の「10、グラボを装着」からどうぞ。
取り付け場所はケースによって違うので、説明書をみるのがオススメ。
SATAケーブルはマザーボードに付属していることが多いです。
SSDの詳しい取り付け方法は、こちらの記事で解説していますよ!
>>>【30分でできる】SSDの付け方を5ステップでわかりやすく解説
10、グラボを装着
ケースの拡張スロットカバーを外して、グラボを取り付けます。
普通のグラボは2スロット分のスペースが必要なので、2スロット外しましょう。
だいたいはネジで止めてありますが、安物だと切り取る方式なことも。
先ほどと同じようにPCIEスロットのロックを外して、グラボを差し込みます。
あとは、拡張スロットにネジ止めするだけ。
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
>>>【中学生でもできる】グラフィックボードの付け方をわかりやすく解説
11、電源ユニットを接続
いよいよ最後のパーツ、電源ユニットを接続します。今どきのケースは、ほとんど下側に設置するようになっていますね。
取り付ける向きは、ケースの底に穴が空いているかどうかで決まります。
設置ができたら、外側からインチネジで固定しましょう。
ケースによっては手で回せるインチネジを使うことも。
先ほどの動作確認のときと同じように、ケーブルをつないでいきます。
動作確認のときは取り付けなかった、SSDやHDD用の「SATA電源ケーブル」の接続もお忘れなく。
最後にコンセントに電源ケーブルを接続して、電源ユニットのスイッチを入れます。
OFFとONを間違えやすいのでご注意を。
起動しないんですけど?そんなときは……
組み立て終わったら、電源ボタンを押してBiosが表示されるか試してみましょう。
え?起動しないんだけど!!!!
起動しないあるある10個をチェックしてみましょう
詳しくは、こちらの記事をどうぞ。
>>>自作PCが起動しないときにチェックするべき10個のポイント
起動できたら、Windowsをインストールしよう
無事Biosが起動したら、もうほとんど成功ですね。あとはWindowsをインストールすればカンペキです。
インストールの方法は、こちらの記事でくわしく解説していますよ。
>>>【迷わずできる】自作パソコンにOS(Windows10)をインストールする方法
Windows11のインストール方法はこちら。
>>>【画像23枚】自作PCにWindows11をインストールする方法
自作PCの組み立て方まとめ
この記事では、自作パソコンの組み立て方を写真57枚を使ってくわしく解説しました。
けっこう手順がややこしいので、ここでおさらいしておきましょう。
手順だけ見ると大変そうですが、実際はそれほど苦労はしない[※要出典]ですね。
でも、いろいろ手間取ったりするとかなり時間を食うので、完成まで1~2日かかると思っておいたほうが良いです。
私は1日で組み上がりましたが、知り合いの大学生の方は2日かかったので……
組み始めるのは土曜日がオススメです。
自作PCの作り方に戻る>>>【保存版】初心者向け自作PCの作り方まとめ!トラブルの対処法まで完全解説
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